• 15年目のインプラントです

    2005年に来院された女性の患者さんは左上の臼歯部の歯が3本なくなっていて、インプラントの治療を希望されました。最初のデンタルレントゲン写真とパノラマレントゲン写真を見てください。左上の4番と6番は骨が十分存在してましたから、そのまま埋入できましたが、左上の7番は骨の幅が不足していたのでサイナスフロアエレベーションを行いました。ほぼ予定の場所にインプラントを埋入した予後は大変良好で15年目に入ってもほとんど骨の変化は見られず、何の問題もなく推移しています。すばらしいことです。インプラントは正しく使用すれば、期待以上によい結果をもたらしてくれます。これはそのよい症例といえるでしょう。

     

  • 10年経過した単独植立のインプラントです

    単独で埋入されたインプラントは、想定外の様々な応力集中に対して比較的に脆弱であるために、動揺や脱落などのトラブルが発生し易いのは周知の事実です。特に最後臼歯部のインプラントは、咬合状態やインプラント周囲の骨の状態を十分に把握して対処する必要があります。力学的に無理のないバランスの取れたインプラント治療であれば、このケースのように長期間使用しても大丈夫です。人の口腔内は、たった一本の歯がなくなっても、咬合のバランスが壊れてしまい、顎の関節の痛み、偏頭痛、肩こり、首筋のこり、腰痛、背中の痛み、手のしびれ、歯ぎしり、食いしばり、寝起きが悪い、不眠、顔の痙攣、めまい、耳鳴り、難聴、鼻閉塞感、慢性鼻炎、喘息、嘔吐反射、目が疲れやすい、ちかちか眼、流涙、食欲不振、胃腸障害、便秘、高血圧、動悸、湿疹、肌荒れ、生理不順、イライラしやすい、手足が冷える、息切れしやすい、疲れやすい、手が震える、関節のこわばり、足の疲労感などの症状が出たりします。一本の歯が亡くなったら、体全身にいろいろな不定愁訴の症状が起こってくる事を忘れないで下さい。写真のインプラントは、2008年に治療を始めて、ちょうど10年経過した症例です。10年間何の問題なく推移しています。喜ばしいことです。今からも経過観察を続けていく予定です。

  • このインプラント大丈夫?

    今から八年ほど前に、中年の男性にインプラントを入れました。最初の画像と二番目の画像がそうです。それから順調に経過していたのですが、六年くらい経って、隣の奥の大臼歯が歯根破折を起こして、歯茎が腫れて来院されました。レントゲンを見てみると、歯根が割れてしまった部分が広く炎症を起こしています。三番目の画像がその写真です。炎症がインプラントに波及しているなら、インプラントは大丈夫でしょうか? とても心配ですよね。さっそく根の割れている歯牙を抜歯して様子を見ることにしました。四番目の写真がその画像です。それから、一年半くらい経過した時のレントゲン写真が最後の画像です。炎症がなくなり、骨の再生が観察されます。インプラントは大丈夫でしたね。骨が再生した部分にインプラントを入れれば、以前のようにまたしっかり咬めるようになりますよ。よかったですね。

  • 28年目のインプラントです

    このインプラントは、私の歯科医院で行った最も古い旧タイプのインプラントです。いつの間にか、28年という長い年月が経ちました。いまだに口腔内で働き続けています。驚くべきことです。インプラントの上の方は、かなりの量の骨の吸収が観察されますが、咀嚼機能は十分に維持しています。昨今のインプラントによく見られるインプラント周囲炎を起こしたことはありません。おそらくこのままの状態で継続していけば、30年という高いハードルをクリアしていくでしょう。人工の臓器として、十分な役割を果たしたと言えるでしょう。

  • 12年目のインプラントです

    このインプラントは、2004年の7月に埋入したものです。12年目に入りましたが何ら問題はありません。左下の大臼歯の部分に2本のインプラントを入れましたが、植立するオペの時は骨が思ったより脆弱であったため初期固定を獲得するのが難しかったのを記憶しています。皮質骨のすぐ下は空洞になっており柔らかい肉芽組織で満たされていました。肉芽組織を丁寧に取り除いて、慎重にインプラントを植立しました。上部構造部分つまり被せ物を作って四、五年すると、インプラントの周囲に、ある変化が起こりました。インプラントの周りに新しい骨が造成されて、インプラントがさらにしっかりと咬めるようになったのです。最後から二番目のレントゲン写真は入れて間もない頃の画像ですが、最後の画像は10年以上経過した最近のレントゲン写真です。インプラントの周囲に骨が増大しているのが分かりますか。このようにインプラントの治療が、適正な状態であればインプラントの周囲には骨が造成されて、より堅固なものになっていきます。これも現在のインプラントの優れた一面なのです。

  • 10年経過したインプラントです

    写真は、10年経過したインプラントです。左上4567の4本のインプラントが埋入されています。10年前の2005年3月に、埋入した時のレントゲン写真が四番目から六番目の画像です。最後の画像は数年後の全体的なパノラマレントゲン写真です。三番目のレントゲン写真で分かるように、10年経過してもほとんど何の問題もない状態を維持しています。素晴らしいことです。毎日のブラッシングと歯間ブラシの使用によって、インプラントは良好な状態を継続しています。これからも患者さんの口腔内で、咬合という重責を担っていく事でしょう。

  • この被せ物がベストの選択です

    左上の奥歯三本がない状態だったAさんは、骨が不足していたのでGBRやサイナスエレベーションなどの骨造成を行い、その後インプラントを三本埋入しました。七十歳のAさんにお奨めした被せ物は、白金加金の前装タイプの被せ物でした。セラミックの歯と比較すると審美性は低いのですが、とても丈夫です。そして周囲の軟組織に対して高い親和性を持っています。体全体に対しても有益な金属です。これならば一生使用してもほとんどトラブルはないでしょう。ですから、これがベストの選択ということになります。審美性の高いセラミックの被せ物は、臼歯部では大きな咬合力がかかるため破折しやすいのです。奥歯にセラミックの白い歯を入れてもらってセラミックの一部が欠けてしまった経験のある方は沢山おられると思います。七十歳の古希を迎えられたAさんには、奥歯が入って益々健康になられることを期待したいですね。咬み合わせが改善されたので、肩こりや持病の腰痛も軽減されてきますよ。

  • 年間のインプラント埋入本数を誇るような歯科医院には行かないこと

    最初の写真をご覧ください。広告をよく出している歯科医院で一年前にインプラントの治療をされたそうです。インプラントの被せ物がしっくり来ないので、三回やり直してもらったそうです。三回やり直してこうなったのですが、今でも満足していないそうです。他の歯も治療してもらったのですが、インプラントじゃないところは代診の先生から治療してもらったけれど、咬み合わせが悪くて、全体的に歯がぐらぐらしてきて痛みがあるので、通院するのをやめて、私の歯科医院に来られたそうです。

    全体的な歯周病の治療が不十分なのはすぐに分かりましたが、インプラントの治療に関しては多くの疑問を感じました。二番目の画像はそのレントゲンの画像ですが、被せる修復物の歯の中心にインプラントが埋入されておらず、歯と歯の間にインプラントが埋入されています。そのためインプラントのアバットメント(金属の上部構造物の土台)が歯と歯の隙間に見えているわけです。こういう被せ物では患者さんは満足するはずがありません。何回やり直してもこの写真の状態が精一杯でしょう。

    前歯部および小臼歯部つまり口を開けた時に見える部分のインプラント治療は審美的なものでなければなりません。

    三番目の写真を見てください。この方の口の中には4本のインプラントが入っていますが、どの歯に入っているのか分かりますか。四番目のレントゲンの画像をご覧ください。4本のインプラントのうちの天然の歯に隣接したインプラントがその歯根のぎりぎりの部分に入っているのが分かりますか。審美的な美しいインプラント治療をするためには歯根ぎりぎりの所にドリリングして埋入しなければいけません。これがこのインプラント手術の一番難しいところなのです。手術のためのステント合わせ(これによって埋入方向と深度を確かめる)も数回に及びます。一回合わせた位では不十分です。数回のステントの丁寧な修正が重要です。

    最初の患者さんのインプラントのレントゲンを見てください。インプラントは何ら計画性がなく漫然と埋入されているように見えます。このようなインプラント手術ならば比較的容易だといえます。こんな手術なら1年間に1000本打っても2000本打っても、さほど難しいことではありません。年間にどんなに沢山のインプラントを手がけたからといっても、それはその人の技量を示すものではありません。数を誇るような歯科医院はよくありません。

    患者さんの期待を裏切るようなことはしたくないものです。

  • すばらしいインプラントによる修復

    最初の写真をご覧になって下さい。ここまで自分の歯を喪失してしまったら、人生は何と空しい夢のないものになってしまうことでしょう。いくつかの他の歯科医院を訪ねられたのですが、この上顎のインプラントの治療は難しいと断られて、私の歯科医院に来院されました。そして患者さんのお口の中の健康に対する熱意が、次の画像に見られるような素晴らしいインプラント治療を現実のものにしていきました。患者さんの協力と歯科医師の様々な努力によって、骨の厚さが1mmから2mm位しかなかった上顎の骨をどうにかインプラントを植立できる厚さまで再生していき、ついに前歯部から臼歯部までの全部の歯牙をインプラントによって修復することができました。歯槽骨の欠損部に数回にわたり垂直的また水平的なGBR(骨造成)を行い、上顎洞の粘膜の肥厚が大きく一般的なサイナスリフトは不可能であったために、歯槽骨の骨頂からのアプローチにより正に奇跡的な新生骨の造成に成功した症例です。患者さんの熱意と当医院の努力の賜物です。

  • 14年目のインプラントです

    このインプラントは旧タイプのブレードインプラントですが、14年目を迎えました。今まで何のトラブルもなく、現在も十分に機能し続けています。連結している天然歯の歯周組織の状態も良好です。今ではほとんど使用されなくなったインプラントですが、ここまで長持ちすると、これを開発された歯科医学者の先生方をあらためて尊敬してしまいます。10年以上の間、No troubleというのは、素晴らしいことなのです。私の患者さんの中で、このタイプのインプラントの最長の症例は23年ですが、これも今でも機能し続けています。二枚目のレントゲンの画像で見るとお分かりになると思いますが、骨の中には比較的大きなインプラントの本体が入っています。最近の若い歯科医師は、こんな大きなインプラントをどうやって硬い骨の中に埋め込むのですかと不思議がりますが、確かに昔のインプラント手術の方が技術的には難度が高かったかもしれませんね。

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