• ああ、あの頃は-2 【歯界時報 2002年7月 No.567】

    学校の中庭やら公園でさかんに投げ独楽で遊んだ。小さい独楽もあれば、大きな独楽もあった。

    ルールは簡単で、ともかく土の上で回っている独楽に自分の独楽を綱を使って回し投げてぶつけて相手を倒せばよいのである。

    うまく投げれば勢いよく回っている独楽を一発で倒すことができた。それはそれは快感であった。カッコよかった。一撃を食らった独楽はバランスを崩して腹を回転でこすりつけながら転がっていった。頭には消しようのない傷の穴が付いていた。
    「畜生、やりやがったな」

    相手の独楽をやっつけると、次の独楽が投げられて回っている独楽をやっつける。そうやって何時間も遊んだ。

    小型の綺麗な独楽は土の上で勢いよく回っていた。それをしめしめとばかり大独楽が狙う。小型の独楽の子供は大独楽の狙いが外れるように「はずれろ、はずれろ」と手を合わせて祈っている。大独楽が投げ下ろされた。みんなどっと笑った。ど真ん中に一撃を食らった小型の独楽は何と土の中に埋まってしまって、すでにご臨終であった。
    「くそー、やりやがったな」

    大独楽は力があって強いが無敵と言うわけではない。地面に力強く回転しながら静止している王者のような大独楽は最初は他の独楽を寄せ付けないが、しばらくすると力が衰えてきて左右にふらつき始める。

    その隙を狙って小さな独楽で大独楽をやっつけるのが、これまた快感であり、粋であった。

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