• 重度の歯周病

    どうしてここまで悪くなったのか、三十代の後半のこの男性の歯肉の状態は惨憺たる有様でした。歯周ポケットの深さは八、九ミリメートルを超えており、食事中も出血するし、歯磨きしても出血する状態で、正に手のつけられない状態でした。毎日の口腔ケアを怠ると、こういう結果が待っています。数日後に歯周病の手術を行いました。三枚目の画像がその写真です。手術では、メスで歯肉に切開を入れて歯肉弁を剥離して、不良肉芽組織や歯肉縁下の深い部分に付着している歯石を取り除きます。その後、頬側と口蓋側の歯肉弁を縫合していきます。この縫合が一般の皮膚の縫合と異なって、結構難しいのです。なぜかというと、出血して見づらい歯と歯の間を上手に縫合の針を通さなくてはならないからです。写真は手術して五日後の状態ですから、歯肉の腫脹が引いて縫合した糸が緩んだ状態になっています。

  • これが外歯婁です

    歯の根の周囲に起きた歯性化膿性炎のためにできた婁孔が顔面の皮膚の外にできるのが、外歯婁です。この婁という漢字は本当はもっと複雑で病ダレが付いているのですが、専門用語であるためうまく変換できません。申し訳ないです。最初の画像をご覧になってください。歯根の周囲にできた化膿性の炎症の膿がじくじくと顔面の皮膚から出てくる外歯婁は、戦前戦後はしばしば見られていましたが、現在ではほとんど見られなくなりました。九十の齢を過ぎたこの患者さんが、私の医院では初めての外歯婁の患者さんです。普段はとても元気な患者さんですが、顎の下に変わった腫れ物ができてしまいました。皮膚科に行ってみたら、これはどうも歯の方から来ているようだと言われたそうです。レントゲン撮影によって、右下の犬歯の歯根の周囲に嚢胞ができていました。二番目の画像を見てください。歯根の先端に膿の袋ができています。これが原因でした。この歯の根を取り除くことにより、外歯婁はきれいに治癒していきました。最後の画像がその写真です。

  • おつくりを作るのはオペに似ています

    四月二十九日の祝日は天気に恵まれて、知人としっしょにボートフィッシングに行きました。当初は小呂島の周辺でヒラマサを釣る予定でしたが、波が高めでうねりがあるために、博多湾の湾内でスズキ釣りをすることにしました。ルアーを使って、スズキを五匹とヒラメを一尾釣りました。血抜きを十分に行ってからクーラーで冷やして自宅に持ち帰りました。持ち帰ったスズキをさばくことになりましたが、今回は今までよりも美味しく食べたくて、料理するための包丁やまな板やうろこ取りや骨を抜く器具なども十分に洗剤で洗い除菌を行いました。骨や硬いヒレを切る時に使うゴムハンマーも洗剤を使って綺麗に洗い除菌を十分に行いました。清潔なタオルを何枚も使って、出刃包丁を何度も拭きながら魚を三枚に下ろし、内臓を綺麗に取り除いて、下ろした切り身を柳葉包丁を用いて皮を綺麗に引き取り、刺身にして皿に盛り付けました。残りのアラを出刃包丁とハンマーで食べやすい大きさに切り分けました。スズキのヒレや鰓は鋭くとがっているために、油断するとすぐに指先を傷つけてしまいます。そこで医院内で使っている治療用のゴム手袋を使いました。魚をさばいている時に感じたことは、これは自分がいつもやっている口腔内のオペに似ているということでした。再生医療やインプラントのオペの時も手術台や器具の滅菌をするために、二・三時間かけて念入りに行います。手術ではメスや歯肉を綺麗に剥ぐ器具や骨を削ったりする様々な器具を使いますが、サージカルマレットという外科用のハンマーも他の器具同様にオートクレーブ内で滅菌して使用します。今回の料理では、出刃包丁をたたくためのゴムハンマーも洗剤で十分に洗って雑菌が魚の切り身に付かないようにしました。

    そうして出来上がった刺身とカルパッチョとあら炊きとお吸い物は、なかなかのお味で美味しくいただくことが出来ました。海の恵みに感謝感謝です。

  • 上顎の骨再生の難症例

    この患者さんの場合は、上顎の臼歯部に長い間部分入れ歯を使用しておられて、その金具を掛けていた大臼歯が動揺して抜け落ちてしまったために、その歯の周囲の骨はとても薄い状態になっていました。厚さが二、三ミリメートルしかなかったのです。しかもその骨の形状はでこぼこしていて複雑な形をしていました。さらに上顎洞の粘膜は肥厚が著しくて、洞内の大半が浸潤性の肥厚で満たされていました。このようなケースでは、当然のことながら、洞の粘膜を大きく挙上することはできません。挙上できるとすれば、歯槽頂部を少し上げる位でしょう。この薄い骨にインプラントを何とか埋入するには、垂直方向に骨を造成しなくてはならないでしょう。一枚目の画像を見ると、ここの骨がどんなに薄いかお分かりになるでしょう。二枚目の画像は、この骨にサイナスエレベーションを行って骨を作り、さらにGBRを行って、どうにか骨の厚みを八ミリメートルくらいまで増やした状態を映したものです。

    これはかなり難度の高い症例です。

  • 横浜みなとみらい地区で研修会

    2月27日に横浜に行ってきました。横浜ランドマークタワーから見た夜のみなとみらい地区の様子です。ここの夜景はすばらしいですね。

    横浜赤レンガ倉庫や日本最大の中華街にも行ってきました。海岸沿いの山下公園では大道芸人に出会いました。この人の不気味な「四足の怪人」の演技は圧巻でした。プロ顔負けの見事な芸を見せてくれました。

  • 根管充填の技術

    右下にメタルプレートのあるパーシャルデンチャーつまり部分入れ歯を長年使用している患者さんです。義歯を長く使っていると、残っている歯の清掃状態は悪化しやすいものです。いつの間にか右下の犬歯の歯頚部から虫歯になって、そこから細菌が侵入したために右下の歯茎が大きく腫れてしまいました。最初の画像の歯の根の周りが少し暗くなっています。その部位が感染している場所です。切開して膿を出してから、感染している根管を治療していきました。腫れが引いて痛みもなくなったので、根管充填したのが二番目の画像です。根の先端の所を注視してください。根管から細く充填剤がはみ出しています。ここが大変重要なことなのです。充填剤が少しはみ出しているという事は、ばい菌が生存する場所がなくなったということです。少しでも隙間があればそこで細菌は生きてゆけますが、そのスペースがなくなったら、細菌は住む場所がなくなり死滅していきます。だから隙間を絶対に残してはならないのです。そのためには根管充填する時に、垂直的に圧を加えなくてはいけません。しかし、この垂直的に加圧する技術を持った歯科医は、大きな声では言えませんが、5パーセントもいないのです。それ程この技術は難しいことなのです。歯科医もより良い歯科医療を行うために努力しなくてはなりません。こんな細くて狭い部分に根充剤を緊密に詰めるには、この狭い部分をレーザー照射して細菌や老廃物を蒸散する必要があります。同時に乾燥もしっかりしなくてはなりません。そこまでやれば保険の診療報酬では採算が取れないかもしれません。しかし、患者さんのためにはより良い診療を行うべきでしょう。根管充填した画像を見せてもらうことはできますから、それをしっかり見てご自分の歯医者さんがどんな治療をしているのかチェックすることも大事なことです。正しい歯科の知識を知って、ご自分の大事な歯を守ることは、幸せな人生をつかむためには大切なことです。

  • 知歯(親知らず)の根充

    上顎第三大臼歯の根管充填はよほどの場合でない限りやることはありません。親知らずはカリエスつまり虫歯になるとすぐに抜かれる運命なのが一般的です。親知らずが生えてくる時に後ろから歯列全体を押すために歯並びが悪くなるのはよく知られています。また親知らず生えてくるとその周囲の歯茎が炎症を起こしやすいことも周知の事実です。ですから諸悪の根源のような親知らずはすぐに抜かれてしまいます。しかし、抜歯できない場合があります。この患者さんのように歯並びが正常で親知らずが上下ともきれいに生えていて正常に咬合しているケースでは、その歯がたとえ虫歯になっても治療して元の状態に回復してやるべきです。親知らずは第三大臼歯といって、口腔内の一番奥に位置しています。ですからその根管の治療はとても難しいのです。根管をリーマーという器具で少しずつ拡大していきますが、素手でするのはなかなか大変なのです。そこでマイクロモーターの付いた専用の機械で根管の拡大をしたりしますが、素手の場合と違って拡大している感触が伝わらないために十分な治療ができないことがあります。この患者さんの場合、根管を80番まで拡大して、根管充填をすることができました。しかもバーティカルと言って垂直的にしっかりと加圧してあるので再び細菌感染することはないでしょう。このような治療ができるようになったことは喜ばしいことなのです。

  • 我が家のペット、アリスです

    我が家のペットのアリスはミニウサギです。うちに来た時は小さなウサギでしたが、三ヶ月たって体が一回り大きくなりました。体が小さい頃は部屋に放しても、何もいたずらはしませんでしたが、次第に大きくなってからは部屋の物をかじるようになりました。中でも一番困るのが、携帯電話の充電器のコードをかじったり、電化製品のコードをかじることです。家内の携帯電話の充電器は二回も噛み切られてしまいました。そこで考えたのが、このマウスピースです。よく見ていただくと分かると思いますが、ペットボトルを利用して作ったものです。最初の一週間は嫌がっていましたが、今では慣れてしまって部屋の中を駆け回っています。最近は盛りが付いてきて、お尻をなでるとぷりぷり動かします。

  • これが歯肉退縮・根面露出です Ⅷ

    インプラントの上部に歯の形の被せ物が入りました。綺麗に仕上がりました。歯茎の状態もとても健康的です。患者さんにも満足していただき、予想以上の高い評価を得ることができました。

  • これが歯肉退縮・根面露出です Ⅶ

    ほぼ予定通りの位置にインプラントが入りました。一枚目の画像が手術が終了した時のインプラントの画像です。正確なステントを製作することにより、確実で安全なインプラントの手術ができます。三ヶ月くらい経過すると、インプラントはオッセオインテグレーションという堅固な骨との結合を起こします。この状態になれば、インプラントの上部にアバットメントという土台を装着して、さらにその上に歯の形の被せ物を製作することになります。二枚目の画像はアバットメントという金属の土台を装着したレントゲンの画像です。

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