• 第十六回アジア太平洋地区学術大会

    ICOI国際インプラント学会のThe 16th Asia Pacific Section Congress 第十六回アジア太平洋地区学術大会は、台湾の首都台北で11月23日(土)と24日(日)に執り行われました。
    11月22日(金)は、早朝6時半の空港バスに乗って、福岡空港国際線ターミナルに向いました。10:10発のチャイナエアラインで一路台北へ出発しました。台北に到着したのは、現地時間で正午近くでしたが、入国手続きを済ませて、現地ガイドと一緒にマイクロバスに乗り、日系のホテルオークラプレステージ台北に着いたのは、お昼の2時頃でした。チェックインの3時まで時間があったので、ロビーの隣のカフェでコーヒーなどを飲んでから部屋に入りました。去年の夏にオープンしたばかりの新しいホテルなので部屋はとても綺麗な状態でした。風呂に入ってから、夕食はホテル内の和食レストランで取りました。食事が済むと、ホテルから1キロ半ほど離れた台北駅まで家内と二人で地図を見ながら散歩にでかけました。散歩の途中で驚いたのは、車道を走る小型スクーターの多さでした。沢山のスクーターが先を競い合うかのように猛スピードで走っていきます。すごいけたたましい音を響かせながら。この国では日本の軽自動車というものは見当たりません。車道を走るのは沢山のスクーターと普通乗用車です。タクシーはすぐに分かります。タクシーはみんな黄色なのです。しかもタクシーの両側にはどこのタクシーかすぐ分かるように、一台一台登録ナンバーが大きく書いてあります。何度か道に迷いましたが、ようやく台北駅に到着しました。台北駅の中には、沢山のお店があっていろいろな物を売っていました。私達は駅の広場の中央に飾られた二十数メートルありそうな大きなクリスマスツリーのそばをを通り抜けて、二階にあるスターバックスの窓際の席からコーヒーを味わいながらクリスマスツリーを眺めました。ツリーの周りでは、若者達がスマホで何度も写真を取っています。それは日本とあまり変わらない光景でした。ホテルに帰るのに来た道とは別の道を辿っていきましたが、道がよく分からなくなって再び遠回りをしてやっとホテルに帰りつきました。明日からは、医科大学で行われる学会が始まります。
    翌朝、ホテルからタクシーで台北医学大学に向いました。杏春楼四階のMain Podiumではニューヨーク大学で研鑽を積んでいるエジプトのDr.Abdelsalam ElaskaryのTreatment of implant related gingival recessionに関する講演から始まり、ボストン大学のDr.Alvaro OrdonezのMandibular positions and obstructive sleep apneaに関する講演があり、フランスのUniversity of Nice-Sophia Antipolis DSでBasal Implantology Programの主任教授であるDr.Gerard ScortecciのUse of bone matrix osteotensors:a natural way to promote autologus BMP and stem cell rectuitment prior to dental implant placementに関する素晴らしい講演があった。午後からはドイツのBaden Badenやニューヨーク大学、ボストン大学で教授を務めている前ICOI学会会長のDr.Ady PaltiのUltimate esthetic using modified abutment.Concepts for the implant practiceに関する見事であざやかな講演があった。失ってしまった歯をどのようにして迅速に又審美的に機能的に回復するための最先端のskills and high technologyの紹介は我々の診療に最も貢献できる重要な課題である。
    講演が終わった後には、私達夫婦はあるオプショナルツアーに出かけました。2001年に公開された宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」の主人公が迷い込む不思議な街並みのモデルとなった九扮(チウフェン)少し字が違いますが、そこに出かけました。台北からバスで一時間くらいで行ける山の中腹にある街で海を一望できる美しい景色を楽しむことができます。怪しげな中国風の古いお寺の前を通って、急な石段を登っていくと両側に茶芸館や民芸品店がありノスタルジックな雰囲気を味あうことができます。沢山の提灯や雪洞(ぼんぼり)のある古い木造・石造りの家屋が立ち並ぶ情景がとても面白いですね。私達は「湯ばばぁの屋敷」と言われている阿妹茶楼(あめおちゃ)で海の見える夜景を楽しみながら中国式のお茶を味わいました。
    翌日は医学大学でICOI日本支部の会長であられる日本では有名なDr.Yoshiharu Hayashi林揚春先生の講演があり、Complex immediate implant Cases and Prosthetic Subgingival Emergence:Clinical Considerations and A new Approachに関する講演があり拝聴してきました。この講演の内容は日本版のインプラントジャーナルに掲載されていました。
    講演会が終わり空港に着いて、出国手続きをする時には沢山の日本人の観光客の列ができて驚きました。飛行機の中では、ヘッドフォンを着けて最新の映画を選択して見ることができます。映画が終わる頃にはもう福岡に着いていました。随分と便利になったものだと思いました。久留米に到着したのは夜の十時頃でした。

  • 第四十回仏教文化講演会 五木寛之先生

    私の従兄弟(いとこ)田中潮佑は久留米市内の妙正寺で以前から住職をやっておりますが、今では偉くなって久留米市仏教会会長を務めています。そのお寺から毎月送ってくる法要の案内を見ていると、次の仏教文化講演会で団塊の世代の人間なら知らないものはいない位有名で人気作家であったあの五木寛之の名前が講師として書いてある。これはきっと面白い話が聞けるだろうという事になって、早速家内と二人で講演を聴いてきました。
    五木寛之氏は一九三二年生まれ、福岡県八女の出身で、戦後朝鮮より引き揚げ早稲田大学文学部露文学科に進学します。一九六六年「さらばモスクワ愚連隊」で小説現代新人賞、「蒼ざめた馬を見よ」で第五十六回直木賞受賞。「青春の門」で吉川英治文学賞を受けられています。代表作は「朱鷺の墓」「戒厳令の夜」「風の王国」「蓮如」「大河の一滴」などがあります。
    女性のアナウンスで五木先生のご紹介が流れると、早速壇上に五木先生が現れました。その風貌の若々しいこと、「・・・・私も今年で八十一歳になりました」その瞬間場内にはどよめきと拍手が起こりました。その声ははりがあって、とても八十の高齢には思えませんでした。
    「・・・えー、いろんな所で講演をやって参りましたが、その紹介のやり方も地方によってはいろいろあるものであります。ある時はこんなことがありました。紹介をやって下さった方は地元の有力者で高齢の方でありましたが、その方は「・・・若くして文壇に入られ・・・」とおしゃられたつもりだったんでしょう。ところが、えーその方が、「・・・・・若くしてぶつだん(仏壇)に入られ・・・・」と言われたものだから、会場は大爆笑になり、私は故人にされてしまいました。・・・・・・・・・えーまたある時は、こんなことがありました。長々と紹介をされ、この方は女性のアナウンサーの方でしたが、私が子供の頃に北朝鮮から引き揚げてきたことを言ってあるのでしょうが、その時の苦労話で盛り上がって、聞くも涙、語るも涙の雰囲気になってしまいました。・・・・・後でそのアナウンサーに「あなたは日頃どんなお仕事をしてあるのですか」と聞いたところ、「私はお葬式のアナウンサーをしています」と言われたから、納得した次第でございました」
    「・・・・・仏様のことを仏陀と言いますが、これはヴッドゥという動詞から来ていると思われますが、悟りを開くという意味の他に、つぼみが花開くという素晴らしい意味合いがあるんですね、・・・・・・・・・・仏教の教えの根底には苦というものがあるんですね・・・・・・・・・・・・・・・・阪神大震災の新聞の記事の中に童話詩人金子みすずの「大漁」という詩が書いてありました・・・・・・その中に・・・・港は久々に大漁で、次々に帰ってくる漁船は沢山の秋刀魚や鯖であふれている・・・・・港で待っていた家族や子供たちの顔もみんな喜びにあふれていて、港全体がわきあがっている・・・・・・・・・そしてですね、数行あけて最後に・・・・・・今頃暗い海の底では魚達の家族が悲嘆にくれて弔いの儀式をしているだろう・・・・・・・・という言葉で終わっているんですね・・・・・・金子みすずはこういうふうにあらゆる生き物の悲しみに非常に敏感な人であったんですね・・・・・・・」
    「・・・・・・これは人から聞いた話ですが、オウム真理教に入信して今は投獄されている息子のご両親の話ですが、このお父さんは大変優しい方で息子の部屋にあったすべての書類や書籍の内容をご自分のノートに書き写してですね、どうして息子があのような犯罪に走っていったのかを懸命に考えられて、拘置所での面会の時に、「お前の帰りを10年かかろうが20年かかろうが30年かかろうが、きっと生き続けて待っているから」と言われたそうです。お母さんの方は、ただ息子の手を取って無言のまま涙を流されるだけであったそうです・・・・・・」
    「お父さんの慈のこころに対して、お母さんの悲のこころは対をなすものなんですね・・・・・・・どちらも切っても切れない関係なんですね・・・・・・・・・・」
    「・・・・・・・・最近になって思うことですが、世界にある大きな宗教というものは、その教祖の亡くなられた年齢と大きな関わりがあるのではないかと思われるんですね、たとえばキリストは三十くらいで亡くなられたと思いますが、キリスト教には若々しい馥郁とした匂いがあるんですね、・・・・・・・・・イスラム教のマホメットは五十くらいで亡くなられたと思いますが、イスラム教には働く者の実業家の日々の教えが事細かに説いてあるんですね・・・・・・・・・・・・・・そして仏教のお釈迦様は八十でお亡くなりになったから、その教えはすべての人間に共通する奥深い悟りの境地を示しておられるわけです・・・・・・・」
    五木先生は、このような有り難いお話を二時間近くも臆することなく、お話になりました。このような優れた立派な文学者が私達の郷土から生まれたことを誇りに思います。今からもお元気で文筆活動を続けられることを陰ながら願っております。

  • 鬼の仕業か、この歯の形態は

    最初のレントゲンを見てください。セカンドオピニオンを聞きたいということで、当院に来院されました。第一小臼歯の根が見事にS字状に曲がっています。この歯が咬むと痛いので、抜歯することになったそうです。しかし一般の歯科医院では、このような歯牙を抜くのは困難なので、大学病院で抜いてもらう予定なのですが、何か良い方法がありませんかということでした。確かにこの歯を抜いて下さいと言われても、きっと百人の歯科医師が百人とも敬遠するようなケースでしょう。このS字に曲がった根は感染してしまっているので、大変もろくなっていると考えられます。だからこの歯牙を折らずに抜き取ることは、至難の業と言えるでしょう。先端の部分を抜歯する時に、折って先端の部分を取り残してしまうと、それを取り出すことは大変な作業になってしまいます。しかし、この歯牙の動揺の状態から考慮してみると、ある程度歯の周囲の骨を上手に削り取ることにより、うまく抜くことができるという私の考えを話すと患者さんも納得して、大学病院で抜歯する予定の歯牙を当院にて抜歯することになりました。抜歯する際は、十分に麻酔した後、この歯の根の周囲の歯槽骨を特殊な長いダイヤモンドのバーで削り取りレントゲン写真で確認しながら、慎重に抜歯の手術を行いました。この歯牙は思った以上に感染が進んでいて、抜き取った歯牙は全体が真っ黒に変色していました。最初の写真がこの歯牙の全体の写真です、先端まで黒く変色しています。まさに鬼の仕業でした。

  • 宮崎県椎葉村尾前川でヤマメ釣り

    8月13日の盆休みは、涼を求めて久々に椎葉村に山女釣りに出かけました。いつも世話になっている民宿紅葉屋のおかみさんの体調がよくないので、近所の民宿さきがけに宿を取りました。冷たくて美しい渓流で、かじかの音を聞きながら、綺麗な山女の姿を見ると、日頃のストレスから開放されていきます。いつも家内と二人で行きますが、最近は家内の竿さばきも見違えるくらいにうまくなりました。今年は椎葉村でも、夏の日差しが強くて川面を包む朝もやが、例年より深く感じました。もやの中で釣り糸の目印を追っていると、突然一メートル近くも引き込まれ、次の瞬間釣り糸は川下の方にものすごい速さで走り出したかと思うと、水面から四五十センチはあろうと思われる大きな尺ヤマメがジャンプして逃げていきました。釣り糸のハリスは少し細めの糸だったので容易に食いちぎられてしまいました。この川のヤマメは九州では一番大きいのです。ここの民宿では、山女の料理の他に、鹿や猪の肉を食べることができます。

  • 東京国際フォーラムICOI日本学術大会

    2013年のICOI国際インプラント学会日本学術大会は、東京有楽町の東京国際フォーラムで行われました。国際フォーラムの周囲の公園の木々の緑が美しく、園内の彫像や噴水が夏のきびしい暑さを忘れさせてくれました。
    林揚春大会長の挨拶から始まった大会の講演会は、テンプル大学微生物学・免疫学の教授のDr.Jon B.Suzukiの免疫学の講演の後に、Dr.Thomas Hanの前歯部インプラント歯科治療における審美性の悪夢-原因と回避法についての講演があった。感染や他の病変によって広範に歯槽骨が欠損している審美ゾーンにインプラントを埋入する場合の、外科的修正テクニックとその長期的成績、審美的悪夢を回避するための適切なインプラント外科アプローチの選択プロトコルや、予知性の高い審美的な結果を得るために必要な外科的戦略の四つの重要ステップについての素晴らしい講演であった。
    翌日の日曜日は、顎関節症、咬合及び口腔顔面痛の専門医、教授であるDr.Alvaro Ordonesの下顎位とOSA(閉塞性睡眠時無呼吸)におけるインプラント治療の役割の講演、又テンポラリークラウンの作製と即時荷重のための臨床戦略についての興味ある講演があった。
    午後からは、ニューヨーク大学歯科大学院臨床教授であり前ドイツインプラント学会DGOI会長であるDr.Ady Palti の 多血小板フィブリン(PRF)とその応用:軟組織と硬組織の治癒の改善・インプラント治療の成功を導くための、生物学的、薬理学的因子についての、素晴らしい見事な講演が始まった。成長因子の生物学、生理学、作用メカニズム、PRFの作用において、どの生体材料が最も妥当な材料なのか?プロトコール、臨床結果、骨再構築における新しい見解、軟組織硬組織の治癒における主要な要素は、血管新生のスピードとその質であるということ。PRFテクニックは、成長因子を一週間持続的に放出し、コラーゲンⅣ型、エラスチン、トロンボスポンジン、フィブロネクチンのような、細胞外基質も放出することが知られている。この講義では、血管新生の刺激、成長因子、特にBMPを放出するアドバンストPRFの新しいテクニックの講演があった。
    昼食は家内お気に入りであるウェスティンホテルの龍天門の人気のタンタンメンに舌鼓を打つことができた。今回の学術大会は内容が充実しており大変有意義なものとなりました。

  • 下顎の大きな親知らずの抜歯の話

    下顎の大きな親知らずの抜き方を解説しましょう。大きな下の親知らずつまり智歯は、たいてい水平埋伏智歯と言って横向きに生えています。隣の第二大臼歯との間に隙間ができるため、様々な障害を引き起こします。炎症、う食(虫歯)、歯列不正などです。この親知らずが普通の大きさならば、分割することにより大概の歯科医院にて抜いてもらえます。しかし最初の写真のように異常に大きな智歯の場合は、歯の根の先端が下顎の神経の走行部分に掛かっていることが多いため、そのままの状態で抜歯を行うと、神経を傷つけてしまい唇や頬の部分に麻痺を起こしてしまいます。そこで、このような大きな智歯の抜歯では、まず歯の歯冠つまり頭の部分をカットしておきます。二番目の画像がカットした状態です。そのまま数ヶ月放置しておきます。この大きな智歯の場合は6ヵ月間放置していました。そうすると歯冠のない歯牙は次第に口腔内の方に移動してきます。三番目の画像を見てください。手前の方に三ミリから四ミリ移動しています。この位移動すると、下顎の神経から大分離れていますから、抜歯しても、神経を傷つけることはありません。ここまで移動したら安心して抜くことができます。四番目の画像が歯を抜いた時の写真です。隣の歯に見られた適合の悪かった金属冠はやり直していますから、適合がよくなりました。これが下顎の大きな智歯の抜歯のやり方です。

  • 基本的な治療なのだが

    基本的な歯科治療なのですが、やはり根管充填は相当に困難な治療に入ります。写真の根管の先端をよく見てください。S字状に湾曲しているのがお分かりになりますか。この湾曲した部分に根充剤を填入するのは、相当に難しい事です。一般的なメインポイントを使用した側方のみの加圧根充では、これは大半の歯科医院が行っている治療方法ですが、この部分の根管充填は出来ません。これが出来るのは垂直的な加圧根充の出来る歯科医院だけです。しかも根管内部をレーザー照射して水分と老廃物を完全に蒸散しなければなりません。レーザーを当てて内部をクリーンにし乾燥した状態で、無菌的に加圧根充する事が大切です。歯根の先端まで綺麗に根管充填されたら、この歯の寿命は数倍も長くなるでしょう。

  • これが歯肉の下にできた歯石です

    歯周病の手術をしていると、歯茎の下の所から大きな歯石が出てくることがあります。この間もある中年の男性の歯肉の下から大きな歯石が出土しました。この歯石は色が暗褐色あるいは暗赤色を呈しており、表面がごつごつしていて大変硬い歯石です。最初の写真が表側の写真で、次の写真が裏側の写真です。大きさがよく分かるように、下の親知らずの歯牙を横に置きました。長い時間をかけてここまて゛大きくなるため、この歯石はとても硬いです。この歯石は歯肉の下に付着していますから、歯肉縁下歯石と呼びます。この歯石は早めに取り除かないと、次第に大きくなっていき、硬さもだんだん硬くなってなかなか取れなくなっていきます。ですから、こまめに歯石除去を行うことが大切なのです。二十歳をすぎたら、年間に二回、半年に一度は、歯科医院に行って歯石をとってもらいましょう。また、中年以上の方で一度中等度の歯周病と診断された方は、歯石を取ってもらってよくなったと過信せずに、毎月一度歯科医院に行って歯石を取ってもらうことが重要です。中等度以上の歯周病になった人の歯茎は、歯周ポケットが深いため、すぐにまた歯石ができてしまいます。

    これをこまめに取り除くことが、歯の健康につながるのです。

  • 根管充填は最も重要な医療技術です

    根管充填はその歯の寿命を決定してしまう重大な歯科医療技術です。歯がカリエスつまり虫歯に侵されて、大きな穴ができて、それが神経や血管が入っている根管に細菌が侵入して感染した後に、神経や血管がなくなった根管に体に為害性のない永久に不変の薬物を充填するのが根管充填です。大事な事は根管内に細菌が生存できるような隙間を残さないということです。ところが根管内は、湾曲したり枝分かれしたり網状であったりするため、この内部に隙間なく薬物を充填するのは至難の業なのです。根管の中には細菌や老廃物の他に多量の水分が存在しています。それを蒸散して取り除くためには、この内部にレーザーを照射する必要があります。レーザー照射の技術なくしてこのレベルの根管充填はできません。神経を取ってから被せてもらった歯がまた悪くなってしまうのは、この根管内部の多量の水分と老廃物を取り除いていないのが原因です。

    最初の写真は珍しい網状の根管の根充写真です。二番目の写真は枝分かれした細い側枝の根管充填写真です。三番目の写真は湾曲した根尖部分の根管充填写真です。根管充填は歯牙の寿命を決定する重要な医療技術なのです。ご自分の歯を治療してもらったなら、その根充の写真を見せてもらってその力量を確かめるのは大事なことです。今からは根管充填の良し悪しをチェックするようにして下さい。そう言われて気分を害するような歯科医師は信頼しない方がよいでしょう。

  • 重度の歯周病の術後は良好

    今年の7月に重症の歯周病の症例として、ブログに載せていた患者さんの歯周病の手術がほぼ終了して良好な結果が得られたので、報告しましょう。あんなにひどかった排膿と出血はどうなったのでしょうか。患者さんの驚くべき回復力で、手術後の歯肉の状態は大変良好な状態になっていました。出血は止まり排膿もほとんどなくなり、歯肉の色がピンク色になって健康的な状態に近づいていました。二番目の写真がそうです。慢性的な歯肉の腫脹が治ったために、歯茎が下がり歯冠修復物(かぶせ物)の下に隙間ができていますが、それはやり直して、修復する予定です。

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